特例有限会社の役員変更

 特例有限会社においては、株式会社と異なり、取締役は住所及び氏名が登記事項であり、代表取締役は氏名のみが登記事項となっています。

 また、取締役の全員を代表取締役とする登記ができず、代表しない取締役がいる場合に限り、代表取締役を登記することができます。

 他には、監査役の氏名、住所が登記事項となっていますが、株式会社と異なり、監査役設置会社である旨は登記事項とされていません。

 なお、監査役を設置するとなると、定款の定めが必要となり、そのため、監査役を置かないとする場合、定款の定めを変更する必要があります。

 取締役や監査役は原則として、株主総会の普通決議で選任され、再任の場合も株主総会の決議によります。

取締役、監査役の就任登記に必要な書類

1 選任を証する書面

  選任決議をした株主総会議事録を添付します。

2 就任承諾書

  役員の就任には、就任承諾書を添付します。もし、選任の際の株主総会議事録にその者が就任承諾をした旨の記載があれば、その議事録等を記載援用することができます。

3 取締役の印鑑証明書

  取締役の就任承諾書には、市区町村長作成の印鑑証明書を添付します。取締役の就任には本人確認証明書が必要となりますが、この印鑑証明書を用いることができます。

代表取締役の就任登記に必要な書類

1 選任を証する書面

 (1)代表取締役の選任方法として、以下の3通りがあります。

  ● 定款の定めに基づく取締役の互選による方法→ 取締役の互選書、定款(この場合の定款は全文です。)

  ● 株主総会の決議による方法→ 株主総会議事録

  ● 定款による方法→ 定款変更をした株主総会議事録

2 就任承諾書

 代表取締役の就任には、就任承諾書を添付します。もし、選任の際の議事録にその者が就任承諾をした旨の記載があればその議事録等を記載援用することができます。

 なお、定款による選定、株主総会で代表取締役を選定した場合は、直接選定するため就任承諾は不要ですので就任承諾書も不要です。

3 代表取締役の印鑑証明書

● 代表取締役が選任された株主総会議事録、定款変更の際の株主総会議事録に議長及び出席した取締役が押印した印鑑について印鑑証明書の添付が必要となります。

 しかし、変更前の代表取締役が取締役として株主総会に出席し、その者が届出印を押印している場合、印鑑証明書の添付が不要となります。

  • 定款の定めによる取締役の互選

 取締役の互選書に押印した印鑑について取締役の印鑑証明書が必要となります。

 しかし、変更前の代表取締役が取締役として互選にあたり出席し、かつ、その者が届出印を押印している場合、印鑑証明書の添付が不要となります。

  • 役員変更登記に添付する本人確認証明書
  • 株式会社,特例有限会社、一般社団法人,一般財団法人,投資法人又は特定目的会社など。

会社設立の登記又は取締役,監査役若しくは執行役の就任に関する登記の申請書には,株主総会の議事録又は就任承諾書(※)に記載された取締役等の氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市区町村長その他の公務員が職務上作成した証明書(当該取締役等が原本と相違がない旨を記載した謄本を含む。)を添付する必要があります。

実在しない人を役員として公示するのを防ぐためです。
 ただし,登記の申請書に当該取締役等の印鑑証明書(市区町村長が作成したもの)を添付する場合は,省略できます。

【対象となる登記申請】 
 ○株式会社の設立の登記の申請
 ○取締役,監査役又は執行役(以下「取締役等」といいます。)の就任(※)による変更登記の申請(※ 再任は除きます。)
 

  • 株主リスト

 株主リストは登記すべき事項につき、株主総会の決議が必要な場合や株主全員の同意が必要な場合に添付します。株式会社、特例有限会社、投資法人、特定目的会社も必要ですので忘れないように添付しましょう。

  • 印鑑届書

 印鑑を法務局に届けている代表取締役から、新しい代表取締役に変更した場合、印鑑届を提出する必要があります。印鑑カードは印鑑届書を提出する際に「印鑑カードを引き継ぐ。」という欄にチェックをすれば前のものが使えます。

 印鑑届書には新代表者の個人実印を押印し、印鑑証明書を添付する必要(登記申請に添付のものを援用可)があります。

 なお、会社の印鑑証明書は、登記情報交換サービスによって管轄外の法務局からも取得可能です。

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